頑張りを見てくれる人を好きになる心理

俺はこう考えている。「数十万円するダイヤモンドで乙女心を自分のものにしようとする男性諸君の多いこと。金額なんて関係ないのだ。120円の缶コーヒーひとつで、俺は乙女心を奪うことができる」。こんなシチュエーションがあるとする。深夜まで残業をして頑張る新入社員の明美ちゃん。社内で評価してもらおうと人一倍頑張る明美ちゃん。俺は、一生懸命な女の子が大好きだ。

そして、そんな女の子をいち早く見つける能力が備わっている。「ここぞ」というとき、俺も深夜まで残業を付き合ってみるのだ。「あれ、先輩。残業なんて珍しいですね」「まぁね、そろそろ決算だし、俺だってやるときはやるよ」あとは無言で黙々と仕事をこなす二人。明美ちゃんは結局、終電も逃して会社で泊まる気らしい。

そして、ひと段落ついたというとき、俺は120円の缶コーヒーを彼女のデスクに優しく置くのだ。「俺、明美ちゃんが人一倍頑張っているところ、知ってるんだぜ。お疲れさま。でも、あんまり無理しちゃダメだぞ」この台詞を言うタイミングがベストのとき、女性は嬉しさの微笑みと泣きそうな表情が混ざったようなアンバランスな表情をするのだ。俺は、この次の瞬間、ニッコリ笑いそうであり、わぁーと泣きそうでもある表情が大好きなのだ。「……ありがとうございます」明美ちゃんも、今すぐ泣きそうな表情をよこす。この日はそれでおしまい。

しかし、こんな120円の缶コーヒーが二人の距離を一気に近づけるのだ。「この前はコーヒーご馳走様でした。そのお礼ってわけじゃないですけど、今日一緒にランチとかどうですか?」明美ちゃんが笑顔で俺にこう言うのだ。俺はもちろんこう答える。「うん、いいよ。実は隠れ家的な店で、美味しいオムライスを出すところがあるんだ」「うわぁ、いいですね!」こうして、どんどん二人は親密になるのだ。「影で頑張っている人を評価する。その頑張りに対して小さなご褒美をあげる」これだけで、人というものは一気に仲良くなれるから不思議だ。

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